時代に応じたリーダーシップ理論の変遷について

リーダーシップ年表

近頃よく耳にする“リーダーシップ”という言葉。今回はこのリーダーシップがどのような流れで発展進化を遂げてきたのかについてお話します。リーダーシップの変遷を見ていくと『特性論』『行動論』『条件適応論』『カリスマ型/変革型』『多様な理論の出現』の6つの流れを見て取ることができます。

 

リーダーシップ論の変容とその時代背景

リーダーシップの考え方として1950年代頃まで主流であったのは、『特性論』です。『特性論』とは、優れた資質を持ち合わせた偉人こそがリーダーと成り得る、リーダーは作られるものではなく生まれながら持つ特質である、という考え方です。

 

その考えを打ち破る形で1940年代頃から出てきた『行動論』。リーダーシップは行動であり技術である。したがって習得できるという考え方です。これにより今日のようにリーダーシップを研修などで学ぶようになりました。

 

ここまでのリーダーシップ論はあくまでリーダーの行動特性のみに注目していましたが、1960年代頃より『条件適応論』と呼ばれる、リーダーシップは状況に応じて取るべきスタイルが異なるという考えが登場しました。『行動論』でとらえたリーダーが組織を牽引したからといって、必ずしも好業績を残すわけではない。であるならば、リーダーシップを解明するにはリーダーの行動特性だけでなく、何らかの追加条件が必要なのではないかと研究者の間で考え始められたのです。

 

1980年代1990年代より『カリスマ型、変革型リーダーシップ』の考え方が登場しました。リーダーシップとは組織の変革を促すためにカリスマ的行動をとること、ビジョンを示し目標を達成していくことであると考えられました。『カリスマ型、変革型リーダーシップ』が登場した背景には、将来のビジョンを描いて部下を牽引するマネジメントが求められるようになったことが挙げられます。なぜなら、経済の停滞によって競争環境が激変、既成ルーティン通りに部下をマネジメントするだけでは満足な業績が出せなくなったからです。

 

2000年頃から変革型をベースとしつつ、リーダーとフォロワーとの関係性を重視する考え方が広まり、そこから発展していく考え方として『多様な理論の出現』が見受けられます。これは1990年代半ば以降に広がった、リソース・ベースド・ビューやコア・コンピタンスの中でも「人」と「組織文化」に帰着する強さこそが最も模倣困難なものであるという認識が影響しているといえるのではないでしょうか。

 

 

今回はざっくりとリーダーシップの変遷について紹介致しましたが、次週からは各論について、そこに含まれる論文や理論などを紹介していきます。

 

画像のPDF版はこちら:リーダーシップ年表

 

当記事執筆担当:曽我部

 

■参考文献、サイト

 

■編集履歴

年表のサーバントリーダーシップが発表された年次に誤りが有りましたので訂正しました。(2016.4.23)

【日本語】今週のリーダーシップニュース (2016/3/11~3/18)

weeklyleadershipnews

【日本語】今週のリーダーシップニュースをお伝えします。

 

1. 「若者は見ている。開発品を説明できないあなたのことを」

対談者の1名が営業していたリーダーシップに関わる商材についてうまく説明できず悪戦苦闘していたところ、プライベートの音楽活動を通じ、リーダーシップ要素の必要性を理解する話しが興味深いです。

 

2. 「さとり世代を動かす、"言葉の力"とは?」

記事では、慶応大学准教授でありリーダーシップについての著書も多い小杉俊哉氏が、ゼミ生に響いた自身の発言を紹介しているのですが、発言内容よりも、さとり世代と呼ばれる現代の若者などの年代が違う人とコミュニケーションを取るには、話しが通じないとあきらめるのでは無く、時代に即したコミュニケーションを意識する必要性を感じました。

 

3. 「ビール醸造家に学ぶ「磁力」がもたらすリーダーシップ」

米ボストンに位置するハープーン・ブルワリーのダン・ケナリーCEOは、人を惹きつける力「磁力」の重要性を話しています。従業員持株制度を整備し、社員のオーナーシップを高め、米国では珍しい分業制を敷かず、挑戦しやすい文化を醸成しています。

 

4. 「「左遷された!」その8割は、単なる勘違いだ」

社内における自己評価は人事や評価者と比較し、3割程高い傾向があり、正当な異動の場合でも左遷だと思われるケースが少なくないそうです。

しかし、こうした勘違いを避けるためには、人事や経営層の思惑を正しく伝える必要があり、コミュニケーションの重要性が述べられています。

 

5. 「ロート製薬が副業OKに 実は多い「同族企業」社員のメリット」

働き方の多様化の流れの中で、ロート製薬が社員の副業を解禁しました。記事では更にロート製薬のような同族経営のメリットについて述べています。

 

6. 「21世紀型のリーダーシップ:ヒトを力づけるのは不可能」

Jenni Jepsen氏の講演から、リーダーシップでは人を力づけることは不可能だが、人々が力をもらっていると感じる組織を作ることが可能であると記事で述べています。

 

今週の【日本語】リーダーシップニュースは以上です。

当記事執筆担当:菱山

【英語】今週のリーダーシップニュース(2016/3/11~3/18)

weeklyleadershipnews

 

“Learn About Leadership”の初投稿です。

このブログでは、1週間のリーダーシップに関わるニュースや記事を紹介したり、リーダーシップ理論を扱った論文の紹介等、リーダーシップに関わる様々な情報を発信します。

 

初回の投稿は海外のリーダーシップニュースを紹介します。

毎週気になった記事を短いコメントとともにお伝えする予定です。

 

それでは早速今週の英語のリーダーシップニュースを紹介します:

 

1.「自然発生的生産性:人中心に考える現代の働き方」

“Emergent Productivity: A People-Centered Equation for Modern Work”
生産性を高めるためには、会社と社員の関係性を見直す必要があり、労働をしてもらうかわりに対価を払うという観点ではなく、会社が働きやすい企業文化を構築し、社員はそれに応じて生産性を高める。その仕事を通じて社員が成長し、会社のイノベーションにつながるという好循環を意識することで、生産性が高い会社になれると述べられています。

 

2.「なぜマネージャーは社員と話すことを恐れるのか」
“Why Are So Many Managers Afraid Of Talking To Their Employees?”
リーダーの69%が社員とコミュニケーションを取ることに抵抗があり、社員の85%が社内のコミュニケーション量に満足していないことがわかりました。理由の一因として、リーダーが社員とのコミュニケーションの重要性を理解しておらず、短期的事業成果をあげることに注力しているのではないかと述べられています。

 

3.「EQだけではダメ、知性と感性の新たなバランス」
“It’s Not All About EQ: Study Suggests A New Balance Between Emotions And Intellect”
ダニエル・ゴールマンにより提唱された理論では、心の知能指数(EQ)がリーダーに重要であると考えられていましたが、ディベロップメント・ダイメンションズ・インターナショナルの調査によるとリーダーに求められる業務に応じて、それぞれEQが重要な局面、IQが重要な局面が分かれることがわかりました。

 

4.「従業員エンゲージメントを高める一言」
“A One-Word Plan To Boost Employee Engagement”
記事では2016年は従業員エンゲージメントの年になると予想し、ギャラップ社の最新調査を取り上げています。そこでは、50.8%の社員が業務に従事していないことが判明し、問題となっています。解決策としては、良く言われていることではありながら、なかなか実行しずらい社員を“認める・褒める”ことの重要性を述べています。

日本でもhooopと呼ばれる顔写真つきの社内SNSを介して、社員同士に感謝の言葉を伝えられるサービスが開始されるなど、従業員エンゲージメントの向上は今後も話題となりそうです。

 

5.「下手でもスポーツをやることで、仕事の成功につながる」

“How Playing Sports, Even Poorly, Can Make You More Successful in Business”
スポーツをやることが体にいいことは昔から言われていますが、スポーツをすることで、ビジネス、ならびにリーダーシップにも影響があるそうです。記事では、スポーツをする人は競争心があり、成功を求め努力する傾向が強く、更にスポーツが苦手な人でも、失敗しても改善しようと継続する力等、ビジネスにも応用できる多くの能力を鍛えられると述べています。
6.「なぜマインドフルネスや瞑想がリーダーシップに重要なのか」

“Why Mindfulness And Meditation Matter In Leadership”
昨今日本でも話題になることが多いマインドフルネス。米国ではスティーブ・ジョブズの伝記等から瞑想に関心が集まっております。記事では、瞑想を重ねることで脳が物理的に厚くなり、効率的になる、不安を軽減し、注意力、集中力、快眠にも影響があることが述べられています。

 

今週の【英語】リーダーシップニュースは以上です。

当記事執筆担当:菱山